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からだ工務店について
領域代表者 井上 康博
京都大学・工学研究科
家を建てる時、建材を何にするかが重要です。なぜなら、建材の物理的性質によって加工方法や組み立て方法が選ばれ、それが最終的な家の形も決めるからです。この事情は、生物の形態形成にも当てはまります。体を構築・維持するには、細胞だけでは剛性が足りないので、サポート素材(カルシウム、コラーゲン、キチン等)が利用されます。細胞は、素材によって工法を選び、「体」を建築します。本領域では、「非細胞素材の加工」という新しいパラダイムを提示することで、解明が遅れている後期発生以降の形態形成の原理に挑みます。形態形成の本質を<体=工作物、細胞=作業員>と捉えることで、数理モデル化と大規模シミュレーションが容易になり、「マクロな形」と「細胞挙動」の関係が一気に明らかになると考えています。また、このパラダイムは「工業」そのものであるため、工業デザイン技術の生物への応用と、生物で得られた知見の産業応用が期待できます。
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